看護師

入職10年の中堅看護師が転職を考える時に押さえておきたい5つの視点

入職10年の中堅看護師が転職を考える時に押さえておきたい5つの視点

中堅看護師は多くの場合は5年目くらいからをいいますが、10年目となると看護師として節目の年ですね。
チームリーダーなどとしての院内・病棟での責任がさらに増す
後輩指導を一手にまかされる
院内発表、各種委員会の中心メンバーや代表などとして通常業務外の仕事が2つも、3つも増える
育児が重なり働き方(場合によっては介護)を見直す時期にもなる

中堅看護師が転職を考える理由

業務量、責任が増え肉体的・精神的負担が増え、ガマンを続けてきたものの、心が折れかける
新しい上司(看護師長の上の、看護部の上司など)と関わるようになり、致命的に合わなかったりする
暴言を吐かれとてもストレスになる
看護部上司などの無理な理想を押し付けられ会う度に怒られる(罵声、暴言といえる程)
妊活に集中するために不規則な病棟勤務はもう辞めたい
子育て(介護)があり、仕事のペースを落としたい
色々な事が重なり精神的に持たないと考えはじめる…

様々な転職理由が重なるのが中堅看護師ですよね。
しかも、看護師として5年、10年の経験がある
総合病院で最先端の医療、看護技術だって学んできた
この病院を辞めたって看護師は出来る…
この機会に看護師として働き方を見直したい

そんな風に考える看護師が少なくありません。

でも、せっかく積んだキャリアがあるのに辞めても良いのか、もし、今悩んでいる問題が解決したら続ける方が良いのでは?といったことも考えておきたいところです。
問題点の整理の参考になればと以下のように挙げておきます。

中堅看護師が転職する際に考えておきたい事(問題点の整理)

10年のキャリアを積んだものを辞めても良いのか
病院を転職するのは結構大変、転職のリスクも考えておく
今の病院を辞めようとしている理由・原因を明確にする
その原因(上司との問題など)を乗り越えるとしたら病院に残りたいか
その原因は、本当に問題といえるのか検証する

10年のキャリアを積んだものを辞めても良いのか

看護師として同じ病院に10年務めたというキャリアは客観的に考えると立派なものだと思います。
一つの病院に居続けると他院のやりかたが分からないとか、病院を変わる事で積めるキャリアもありますが、
平均的に3年~5年で転職する方が多いなかで、学ばれたもの、築いてきた人間関係があるはず。
一度冷静に考えてみたいところです。

転職は結構大変、転職の現実を知っておく

転職は結構大変です。
まず転職するかどうかを悩みます。これまでの経歴を振返り、看護師として何を学べてきたか、これかどうしたいか、辞めると決めるまで時間も労力もかかると思います。

転職のリスクも考えておきたいところです。
もちろん、転職情報をできるだけ調べたはずなのに、転職してみると給料や待遇が下がったという人もいます。
また、人間関係をゼロから作り直すことにももちろん希望もありますが、リスクもあります。
人間関係は職場に入ってみないとどうなるかやはり分からないところがあります。

今の病院を辞めようとしている理由・原因を明確にする

今病院を辞めたいと考えているのは、理由・原因を冷静に考えると、以外にシンプルだったりします。
例えば、発端は最近関係するようになった上司との人間関係が主因だったり、まかされる業務量が急に増えてきた事で周りとの関係もぎくしゃくしだしたとか。
もし、看護師を辞めたい、転職したいとあなたが思う原因が「あ、実は一つだけだ」「シンプルだ」と思えたら、少し気が楽になるかもしれません。

その理由・原因(上司との問題など)を乗り越えるとしたら病院に残りたいか

もし、その原因・理由は多少時間をかけて(かなりかかるかもしれませんが)、解決できるとしたら、今の病院・病棟に残りたいでしょうか?

それとも、解決自体不可能そうか、解決したとしても後味が悪い、他の病院で新しいキャリアを積みたいと思うのか、気持ちを整理してみましょう。

その理由・原因は、本当に問題といえるのか検証する

例えば、あなたが院内・職場内での人間関係で悩んでいるとしたら、実は“誤解だった”ということがあるかもしれません。

「看護部長が明らかに私に暴言を吐き罵倒する。これは絶対パワハラ。」

こんなときはつらいですよね。
でも、看護部長など上に立つ人は、多かれ少なかれそれまでの経験、苦難を乗り越えた事から信条があり、プライドがあるもの。実は根はいい人かもしれませんが、キャリアを積んできた中堅看護師といえでも、まだまだ若手のひよっこ。

ちょっとスイッチが入って感情的になると、良く言えば熱くなってしまうのかもしれません。
それが“パワハラ、暴言、罵倒”などに聞こえるかもしれません。
パワハラになるかどうかは受け取る看護師側の問題でもあるので、判断が難しいところです。
ガマンしすぎるのも良くありません。

被害者意識から思い込みである可能性はない?第三者の意見を求める

第三者に意見を求めてみるのも良いかもしれません。
この時、第三者として選ぶのは、病棟の関係者や家族ではなく、さほど親しくない友人、知人が良いでしょう。
同僚看護師や家族はあなたの見方をしてひいき目に評価するかもしれません。

適切な第三者が見つからない場合、一人でも純粋な第三者としてこの問題を扱う心理テクニックをご紹介します。

簡易バージョンですが、NLP(神経言語プログラミング)のポジションチェンジというテクニックです。

看護師のために理不尽な上司との人間関係を扱うテクニック

扱いたい上司を一人決める
純粋な第三者を一人決める
あなた、上司、第三者の立ち位置を部屋のなかで決めます
あなたの立ち位置に入り、上司が目の前に立っているところを想像する
看護師としてのあなたを、そこに置くつもりで第三者の位置に入る
第三者として(全くの他人になりきって)二人の会話・関係性を観察する
 ※純粋な他人として上司と看護師のあなたを観察することがポイント

上司を扱うテクニックのポイント

扱いたい上司を一人決める

純粋な第三者を一人決める
たまたま通りがかった、院内メンテナンス業者さん、ヤクルトの納入業者さんなど。あなたにも上司にも利害関係がない人を選びます。

あなた、上司、第三者の立ち位置を部屋のなかで決める
あなたの部屋など、空間を使って、三人の立ち位置を決めます。
この3つの位置を明確に部屋の中で決めることが、あとのステップで純粋な他人として、上司とあなたの関係を観察するために役立ちます。

あなたの立ち位置に入り、上司が目の前に立っているところを想像する
まず、普段のあなたとして、看護部長など上司が目の前にいることを想像します。
理不尽に怒られたり、罵倒された相手なので、想像するだけでも嫌な気分になると思いますが、ここはちょっと我慢してください。
上司を目の前に看護師としてのあなたはどう思うか、どう感じるかを確認しておきましょう。

看護師としてのあなたをそこに置くつもりで第三者の位置に入る
次のステップで第三者になりきるために、ここで看護師のあなたという人物を置いておくつもりで移動します。
あくまで、「そういうつもり」でかまいません。できる限りそうしようと思ってください。

第三者として(全くの他人として)二人の会話・関係性を観察する
看護師としてのあなたは、先ほどの場所に置いてきました。
今、あなたは、メンテナンスの業者さんやヤクルトの納入業者さんです。
彼らになりきりましょう。

そして、たまたま通りがかり、ナースステーションなどでどうやら上司と部下の看護師と思われる2人が何か話をしてみます。
上司がかなり、部下の方に言っているようです。

第三者として公平に観察してみて、どう思いますか?
これは上司の方がパワハラをしているのでしょうか?
それとも、業務上の指示の範囲でしょうか?
第三者として、どう感じますか?

入職10年の中堅看護師が転職を考える時に押さえておきたい5つの視点まとめ

仕事も人間関係も合う・合わないは必ずあります。
挫折を繰り返してきた人に比べて、それまで職場環境・人間関係に恵まれて来た人はなおさらかもしれません。
一人で悩むのは視界や考え方が狭くなるので余り良くないでしょう。
冷静に相談に乗ってくれるお友達や、上記のように客観的に考えたり、認識するテクニックをつかうか、転職コンサルタントの意見を求めると良いと思います。
転職するか、しないないかモヤモヤし続ける事も良くないでしょうから、何か一つ、ベイビーステップから始めるとよいでしょう。
今の病院を辞めずにこれまでのように看護師を続けられると良いとおもいますし、
たとえば、認定看護師に進むか、
育児などを重視して新しい働き方を選ぶか、
あなたらしい看護師人生をあゆめるといいですね!