看護師が転職を考えるとき、いきなり〇〇〇はやらないで
あなたが看護師として転職を考えるなら、まず、“しないほうがいいこと”があります。
でも、多くの看護師が、
「そのこと」を最初にしちゃうんです…
それは“絶対だめ”とは言えませんが、しないほうが良いと思います。
看護師が転職を考えるときしないほうが良いこと。それは…
“転職したい病院を探し始めること”
です。
「病院を探さない??」
「病院を探さずに、どうやって転職するの?」
と思われると思います。
なぜか?
最初から転職先候補となる病院選びから始めると、
ずばり、“転職失敗”につながりやすいと考えるからです。
いきなり病院選びから始めると転職に失敗する理由…
- 勤務条件(特に給料面)に意識が行きやすい
- 人間関係の良さを重視する人でも、外部環境の良し悪し(自分以外の要素)に意識がいってしまう
- 転職する要因・原因が看護師本人にある場合でも、自分を省みるチャンスを失う
- 看護師として本当は何を望んでいるのか、どうしても譲れないものはなにかが不明確なまま、勤務条件などうわべの情報で病院を決めてしまう
- あとから自分の望みを書き出したりしても、条件面で「この病院いいな」と思ってしまうと、本当は合っていない病院なのに、気に入ってしまったりする
- そんな時は、往々にして「新しい病院で奇麗だから」といった本当に表面的な情報が決定要因になってしまったりする(=転職失敗に直結しやすい)
そして、転職しても同じ失敗を繰り返す危険性が出てきます。
“自分と向き合うこと”を抜きにして、行きたい病院を探し始めることは、
“現在地”がわからないまま、しかも地図もコンパスも持たずに、
「目的地」をまだ決めてもいないのに、
「ジャングルには何かがありそうだから、とりあえず行ってみるか」
と、無謀にもジャングルに飛び込むようなものでしょう。
自分を省みることなく理想の転職はできない
つまり、
- 現在地(=あなたご自身の課題、本心、心から望むの)が浮き彫りになっていなければ、
- 目的地(=あなたが本心から望む病院・働き方・看護)を明確にするのは困難ですし、
- 目的地への進み方(地図・コンパス=ご自身の課題の解決方法、本当に自分に合った病院を探す方法)もわからず、
- “よくわからないけど、なんとなくこっちに行こう”とジャングルに入り込む(=なんとくなく転職候補となる病院を探し始める)
なんて結果になると思います。
看護師本人が、まず自分と向き合うといこと(課題の明確化、本当に望むもの)
転職先となる病院を探しはじめるよりも、まずは自分自身と冷静に向き合う作業をおすすめします。
大きく分けてこの二つ…
- 自分自身の課題明確化と解決
- 本心は何を望んでいるか、看護師として理想を明確にする
1.自分自身の課題明確化と解決
転職を考える理由は様々ですが、
- パートナーの転勤や引っ越し
- 新しいキャリアを積みたい
- スキルアップ
といった家族やキャリア形成が理由でなければ、
人間関係や勤務形態、給料などの処遇に関する場合が多いと思います。
実際、各種調査で転職理由で最も多いのが上司・先輩・同僚などとの人間関係で、次にスキルアップしたい、他の診療科・分野で働きたい、給料などが続きます。
人間関係や給料、処遇を理由とする場合は、病院側、上司側だけではなく、転職する看護師本人にも何らかの課題があると思います。
何かしら課題・問題ぶつかることは、看護師として、人として一つ成長するチャンスですよね。
「転職する程」であれば、なおさら。
このチャンスを逃したまま転職すると、同じ問題(形は変えても問題の本質は同じ)にぶつかりまた転職したくなるかもしれません。
(短いスパンで転職を繰り返すかも…)
転職前に解決しておくべき課題を分野毎に明確化
転職前に、あなたが看護師として解決しておくべき課題があるとすればそれは何でしょうか?
以下のような分野を参考にしながら少し時間を取って書き出してみましょう。
- 自分自身の看護技術ではどうか…?
- 上司との関係では…?
- 先輩看護師との関係では…?
- 同期・同僚との関係では…?
- 部下、後輩との関係では…?
- 処遇や給料面で思うこと(不満なこと)は…?
ポイントは思いつくままに棚卸しする感覚で書き出すこと。
「え、私って、こんなこと考えてたんだ」
と気づきがあったりします。
また、該当しない分野はスキップしていただき、追加したい分野は加えてもOKです。
2.本心は何を望んでいるか、看護師として理想を明確にする
人は、意外にも自分の本心を分かっていないもの。
ただ、不満などネガティブな感情がある場合は、本心・本音を満たせていないのは確実です。
そこで、ここでは、
今の職場・病院で、何が不満で、何が満足なのか、棚卸しをしておきましょう。
満足なことは見落としがち→確認しておかないと転職先で失うかも
人間の意識は、ネガティブなことに向かうように設定されています。
特に転職前は、病院や上司への不満ばかりに意識が行きがち。今の病院のメリットもちゃんと把握しておきましょう。
把握できていないものは、転職先の条件から漏らしがち。
(譲れない条件は死守したいですよね。)
そして、譲れない条件を決めます(明確します)。その他は場合によっては妥協することも選択肢。でも、意外とわからないのが、“本当に譲れない条件”は何なのか?ということ
「自分のことだから、わかっているつもりだけど…」
確かに分かる部分も多いと思います。でも、もし、見落としているとしたら…。また、あわない病院で1年、3年と働かなければならないかもしれません。
そうならないように“ちょっとした提案”があります。それは、あなたにとって“絶対嫌なこと”を書き出すことです。
“絶対イヤ”を書き出すと、あなたの“理想”がみえてきます
“絶対嫌なこと”を書き出すことで、かえってあなたの“理想”がみえてきます。
例えば、あなたが「自分のことばかり考える人」が嫌だとします。それはあなたが「他人を思いやること」に価値を置いていることになります。
つまり、「お互いを思いやれる人間関係」を望んでいることになります。
このように、嫌なこと、避けたいこと、これを反転させると…それは好きなこと、得たいものになります。
簡単ですよね?
そこで、看護師としての仕事、勤務条件、人間関係などについて、あなたは何が嫌なのか、時間をとって書き出してみましょう。
- 病院の人間関係ではどうか…?
- 上司との関係では…
- 勤務形態では…
- 看護師等の人員配置では…
- 給料面では…
- 通勤では…
- 勤務時間やプライベートの時間では…
- 健康面では…
(これも、適宜、分野を追加・削除してください)
その中で“これだけは絶対に避けたいもの”を3つ~5つに絞ります。
これらを反転させるとどうなりますか?
時間をとって書き出してみましょう。あなたが転職するうえで、今後看護師として働くうえで外せない条件になるのではないでしょうか?
“絶対嫌”から“理想の看護師像”も描く
さらに、あなた自身についても考えてみましょう。
- 看護師としてのスキル面ではどんな状態が理想か…?
- どんな専門性を持っているか…
- 医師との関係性では…
- 上司や同僚看護師との関係性では…
- 患者さんの接し方、どんな関係を築くか…
などについて、将来、こんな看護師になるのだけは嫌だということを書き出し
それを反転させて、本当になりたい看護師像を描きます。
どんな理想像になるでしょうか?これも時間をとって描いてみると良いと思います。
理想の転職もイメージして引き寄せる
理想の転職にむけて、理想的な行動をとっていくことももイメージしておきましょう。
目を閉じてこんなことを想像します。
少しずつ情報収集からはじめ…
理想の転職に向けて必要な医療技術を身につけて、人間的にも成長していく。
病院の候補をしぼり、面接対策も準備する。
そして、転職し理想の仕事に就くこと、その結果、転職後の1か月、半年、1年を順調に経過していきます…
さらに、理想的な転職ができたあなたを想像すると…
どんな感情になるでしょうか?
心の中で何を思うでしょうか?
そう思うとき、どんな表情になるか、どんなふうに呼吸をするか合わせて想像して、実際にやってみてください。
「あぁ、転職して本当に良かった。」
実感をもってそう思えるようにイメージを膨らませてみてください^^
転職のリスク、ネガティブ面を考えた後は、
転職に成功したあなたをありありと想像し、今まさに起こっているように体験しておくと、成功した未来を引き寄せやすくなります。
転職する、しないは別として、ポジティブな感情でいることはとっても大事。ぜひ、良い感情、良いエネルギーでキャリアを考えてみてくださいね。