情報の量
情報量、つまり多数の病院、求人を知っていると、単純に選択肢を広げられますよね。
病院同士、求人同士を比較することで選択眼も養われます。
通勤圏内の病院はできるだけ把握
- 総合病院希望ならどれだけあるか
- 町のクリニックはどれだけあるか
- 産婦人科が希望なら、通勤圏内にいくつあるか
通勤県内にある病院・クリニックはできるだけ把握しましょう。
病院情報を把握するために
ハローワーク・各県看護師協会・ナースセンター
全国の求人情報、勤務地、勤務時間、給料、基本的な情報が入手できます。
ただ、病院や施設をいくつも回って自分で探すことになります。足で稼ぐ、という感じですね。
求人広告
運よく近隣で求人があれば一番効率がいいかもしれません。
ただし、これも勤務条件など表面的な情報に限られますし、限られた求人数になりがち。
求人誌・求人サイト
インターネット上であれば近隣市町を含めて求人の幅が広がります。
ただ、意外にネット検索はしくいですし、時間がかかる割に表面的な情報しかなかったり、情報が古かったりもします。
発刊日が明確な最新の求人誌のほうがかえって新鮮な情報に出会えることも。
近くの病院を効率よく探す方法
ハローワークなどでは探しにくい場合は、マイクリニックというサイトでも探せます
https://www.myclinic.ne.jp/
転職先の情報の質を高める
ハローワークや求人広告だけでも給料など勤務条件などはわかります。
さらに、できることなら希望する病院の内部事情(職場の雰囲気、人間関係、離職率、看護方針や残業の実態など)を把握し、情報の質を高めていく必要があります。
友人・知人看護師からの情報
看護学校の時の同級生・先輩・後輩を含めれば、候補の病院に勤務したことがある人がいるかもしれません。
今は連絡をとってない知人にも声をかけてみましょう。
直接の知人じゃなくても、「〇〇病院なら〇〇さんが今でも勤めてるよ」といった情報が得られるかもしれません。
希望する病院に知人・友人がいる、または以前に勤めていたとしたら、人間関係、職場の雰囲気など内部の情報を聴くことができます。
大きなメリットですが、これもあくまでその人の経験。極端に言えば“思い込み”の部分も大なり小なり入るはずです。
教えてもらう側にもどうしても思い込みがあるわけで、気をつけておかないと正確ではない情報になってしまいます。
特にかなり以前に勤務した看護師に教えてもらう場合は注意したいところです。
その病院の看護師に直接聞く
この方法は、街の個人医院より大きな総合病院であれば聞きやすいです。
昼間の時間帯に、時間外通用口で待っていると病院のスタッフが出入りします。
看護師らしい人が出てきたら、「この病院で看護師として働くことを考えています。ちょっとだけ病院の実情をお聞きできませんか?」と素直に聞いてみます。
急いでいなければ協力してくれる看護師さんはいらっしゃいます。
看護師同士、転職で不安になることは直感的にわかってもらえます。
これは生の、リアリティある情報が得られます。
「いい方法ですね!」
と思われても、早まらないでください。
この方法の注意点として、やはり、あくまでのその看護師さんの主観であることは理解しておきましょう。
その看護師さんは、
働きやすい病院だといわれるかもしれませんし、
人間関係がよくないなどと、不満をいくつも並べられるかもしれません。
ポイントとしては、
かならず複数の看護師さんに聞くこと(一人の話をうのみにしてはダメ)
看護師さんが冷静に話しているか、感情的になっているかを見極めること
人間関係の良し悪し、給料が見合っているかどうかは、しょせん個人の判断でしかないことを理解しておく
中には清掃や食堂などのスタッフから「ここの看護師は相当大変みたいよ」などと聞くことがあっても噂程度の話はあまり参考にしないこと(看護師本人に聞くことが大切)
といったことは少なくとも押さえておきます。
看護師人材紹介会社(転職エージェント)
人材紹介会社(マイナビ看護師、ナースパワー人材センターなど)は、ウェブから登録するとキャリアコンサルタントがついてくれ希望に合った病院を紹介してくれます。
各コンサルタントは、各病院と継続的に付き合いがあることも多く、病院の看護部長や事務局長とのつながりがあります。人事担当者の人柄、病院の雰囲気、看護師の定着率・離職率などに精通している場合もあります。
ただ、どの病院でもくわしいかというと、情報の濃さには差があります。中には付き合いの浅い病院もあり、内情把握は不十分かもしれません。
コンサルタントが把握している各病院の内情は、すべて“うのみ”にするわけではなくとも、“情報源の一つ”として参考にしたいところです。
看護師転職情報をウェブサイトから集める注意点
情報量を増やすためのサイトと、情報の質を高めるサイトを見極める
看護師の転職情報をインターネットで探そうとすると、大きく2つのタイプに分けられます。
転職の情報量を増やすのに役立つサイトと、
転職情報の質を高められるサイト
です。
転職情報の“量”を増やせるサイト
一般の求人広告のウェブ版
ハローワークの公式サイト
各都道府県の看護師協会サイト(ナースセンター)
スカウト形式の求人サイト
こういったサイトで多数の求人を閲覧でき、どの病院がどんな看護師を募集しているか、給料はどうかといった相場観を養うこともできます。
情報の質を高められるサイト
- 看護師専門の人材紹介会社(登録後のコーディネート)
看護師専門の人材紹介会社は、求人情報を把握するだけではなく、
- あなたにコーディネーターがつき、
- あなたの希望をヒアリングしたうえで病院を紹介したり、
- 面接にも同席したり、病院との条件交渉、
- 看護師自らは聞きにくい雇用条件を変わりに聞いてくれたり
などと頼もしい面があります。
コーディネーターの中には看護師資格を持ち実際に病院勤務経験がある人もいます。
人材紹介会社は、登録から面接サポート、転職まで一切無料で利用できること。
人のいい看護師さんはちょっと注意を
何かとお世話になるコーディネーターですが、「色々してもらったし…」と言って無理して転職を決めたりしないようにしてください。
人は誰しも返報性の法則が働いてしまうもの。
人のいい看護師さんは「コーディネーターがせっかく紹介してくれたのだから」と妥協した転職は控えたいところです。
人材紹介会社は少なくとも2~3社登録して比較を
人材紹介会社にもそれぞれ個性があって、地域や病院によっては得意・不得意があります。
つまり、1社の登録だけだとどうなるか?
やはり転職情報が偏る可能性がでてきますよね。
また、人材紹介会社によっては、コンサルタントにノルマを課しています。
コンサルタントによっては、ノルマ達成のために、必ずしも希望にあった病院ばかりを紹介してくれるわけでもないようです。
さらに、ごく一部だと思いますが…成績を上げるために「ちょっと合わないかもしれないけど」と思いつつ病院を紹介するコンサルタントさんいらっしゃるようです(コンサルタントさんも“一人の人間”ですから…)。
人材紹介会社でより良い求人を紹介してもらう工夫(心理戦術)
「心理戦術」という大げさですが。
人材紹介会社のコンサルタントさんとしては、働く環境や時期によっては実績を上げる必要もあるでしょう。
コンサルタントさんも“生身の人間”だからこそ、自社や自分自身の利益のために行動してしまうかもしれません。
つまり、状況によっては、
看護師と求人が多少合わないことが分かっても紹介してしまうかも…
付き合いが浅く本当はよくわかって病院なのにおすすめされるかも…
でも、血の通った人間だからこそ。
でも、逆に言いますと…生身の人間だから、どのコンサルタントさんにも当然“良心”がありますから…
その良心に“協力”いただけるように、心理学的な工夫をします。
「それって、心理操作でもするってこと?」
“操作”というと誤解が含まれるかもしれませんが…これはコンサルタントにとっても、看護師側にとってもよいことだと思います。
コンサルタントさんは一時的な利益を優先させてしまうと、後味の悪さは残るでしょうけれど、
お互いが良心に沿って行動するようになりますから、後味が良くなるからです。
そもそも、コンサルタントさんは、本当は看護師のために動いてくれます。
そして、人には“貢献欲”という根源的な欲求があります。
これを満たせるわけですから、結果的にはコンサルタントさんにも喜ばれるはずです。
紹介後も、
「いい看護師さんだった。頑張ってほしいな。時々近況も聴いてあげよう。フォローもしよう。」
と思ってもらえるのではと思います。
こういう思考に至ったコンサルタントさんは、その後どうなるでしょうか?
他の看護師にも、引き続きさらに誠意をもって転職コンサル業に注力できるのではと思います。
単純に一時的な成績を伸ばそうとするのではなく、
- 看護師一人一人のことを真剣に考えたコンサルティングになる…
- 長期的に見ればそのコンサルタントさんの成績が上がる…
- 素敵な病院に転職できる看護師が増える…
つまり、これからお伝えすることは看護師転職業界のためにもなっていくことだと思います^^
コンサルタントさんに良い求人を紹介してもらうための4つの工夫
そこで、コンサルタントさんとコミュニケーションする際の工夫として、4つご紹介していきます。
- 看護師はお金や商品じゃない。“あなた”というのとの人柄を出す
- 看護師としての熱意・誠意を伝える
- コンサルタントを肯定する、信頼する、好感を持つ
- 連絡を細かく何度もとる…接触回数を増やす
1.看護師はお金や商品じゃない。“あなた”というのとの人柄を出す
人材紹介会社のコンサルタントにとって、看護師を病院などに紹介し入職・転職してもらうことが成績になります。
深層心理的には、“看護師=お金・商品”ととらえかねません。
…これって、ちょっと怖いと感じるかもしれません。
でも、人材紹介業はあくまでビジネス。
お金になるから職業でありうる。病院・施設側も素敵な看護師さんに勤務してもらう必要がありますから、対価を支払います。
ですから、少しはこういう心理は必要だと思います。
あなたは看護師である前に、“一人の人間”
そこで、コンサルタントさんには、あなたはあくまで“一人の人間”であることリアルにとらえていただけるよう工夫していきます。
商品じゃなくて、人間とかかわっている。その人の“人生”に関わっていることを再確認していただきます。もちろん、コンサルタントさんは常に意識していることですが。
あなたという人間を共有します。
- あなたのプライベートのこと
- 家族があなたに期待していること・心配していること
- 新しい病院ではこんな仕事をして、こんな生活をしたいということ
- 看護学生時代に苦労したこと・考えていたこと
- なぜ看護師になりたかったのか(ならざるをえなかったのか)…etc
あなたが“生身の人間”であることを常に考えてもらえるように、
コンサルタントさんにお伝えする情報は多いほうがいいでしょう。
“回数”も大事です。
長々と話すよりは、ちょこちょこ繰り返しが良いと思います。
あなたという人柄をより理解してもらえすから、本当に合う病院を紹介してもらえる可能性も高くなると思います。
2.看護師としての熱意・誠意を伝える
「看護師としての熱意なんてない…」
そうおっしゃる看護師さんもいるかもしれません。
でも、看護師である以上、ゼロではないはず。
やむを得ず看護師になったとしても、最後の最後になると決めた瞬間があったはず。
熱意・誠意は、“演じている”間にも、本物になっていくもの。
“フリ”でもいいので、熱意・誠意を表すことを意識してみてください。
求人そのものの条件だって、良いものにグレードアップする可能性も大です^^
3.コンサルタントを肯定する、信頼する、好感を持つ
「鏡の法則」
というのをご存知でしょうか?
他人は、あなたの心理状態や生き方、行いを写す鏡という意味です。
野口さんの鏡の法則という本で解説されています。
非常に良い本ですので興味のある方はぜひ読んでみてください。
良い病院を紹介してほしい!思いが強すぎると疑念に変わるかも
コンサルタントさんに「良い求人を紹介してもらいたい!」と思えば思うほど
「このコンサルタントさん、大丈夫かな?…信頼していいのかな…?」
と不安になるのではないかと思います。
もちろん、なんでもうのみにするのは良くはないのですが(最後に決めるのはご自身ですから)、心配しすぎも相手に伝わってしまいます。
コンサルタントさんが信頼できるかどうか、不安な気持ちで過ごすこと自体もあなたにとって良くありません。
転職でも失敗を引き寄せやすくなります。
つまり、コンサルタントさんを疑うのはあまりプラスには働かないと思います。
信頼する態度で望む
そこで、少なくとも表面的には、コンサルタントさんを“信頼する態度”を取るようにします。
最後に入職・転職するかどうかを決定するときに、情報を信頼するか考え直すこともできます。
初めから疑ってしまうとコンサルタントさんとの関係も悪くなりかねません。
ですので、特にコンサルティングの初期は特に素直にコンサルタントさんのアドバイスに従って、病院見学や面談に応じるようにします。
実際にいい病院かもしれませんしね。
「あなたを信頼しています」という態度を示します。
コンサルタントは人材紹介会社の社員の一人。
当然、成績を上げたい。でも、その前に一人の人間。良心があります。
人は、信頼してくれる人は裏切りがたいもの。
つまり、信頼して慕ってくれる看護師に悪い情報は流しにくくなります。
さらに、
「〇〇さんを、信頼してます!」
と、よいタイミングでコンサルタントさんに宣言すれば完璧だと思います。
きっとより良い関係になるはず^^
4.連絡を細かく何度もとる…接触回数を増やす
もう一つ意識したいのが、“単純接触効果”です。
人間は、何度も接触するもの、出会う情報、出会う人に好感を持つようにできています。
つまり、何度も連絡してくれる看護師、何度会う看護師には好感を持つようになります。
ですので、人材紹介会社にお世話になるなら、担当コンサルタントには密に連絡を取るようにします。
メールが来たらできるだけ早く返信し、あなたの返信で終わるようにします。
病院見学に行く前日には、「明日行ってきます。〇〇をしっかり見てきます。」
終わったら、「今日行ってきて、〇〇でした。」と報告します。
面倒なようですが、内容は簡単で良いと思います。
大切なのは、“数をこなすこと”。
“単純接触”で良いのです。
これを多分に利用しているのが、企業のテレビCMです。
毎日、繰り返し流されますよね?
同じ情報を何度も見聞きしても意味がないように感じるかもしれませんが、実は接触回数はとても重要なんです。
そして、ところどころでかまいませんので、コンサルタントさんへの感謝や心遣いを含められると、さらに完璧だと思います^^
複数の看護師人材紹介会社に登録したら、他社での活動状況は伝えるべき?
病院の情報の精度を高めるためには、他社での状況は詳細には伝えないほうが良いと思います。
コンサルタントさんには、候補となる病院の、人間関係、看護師の定着率といった内情、最近の紹介実績など聞くと思いますが…
たとえば、あなたがコンサルタントのAさんに
「B社さん(他の人材紹介会社名)から●●病院の紹介があったのですが、Aさんどう見ていますか?」など聞くと、
他社に取られたくなくて、本当はいい病院なのにAさんは批判的に説明するかもしれません。
(このように3つの紹介会社で同じように聞くと何が真実なのかわからなくなった…という話を聞きます。)
一方、他社での登録の有無を言わずに、例えば3人のコンサルタントさんに、同じように聞いて、
それぞれ持っている情報を教えていただければ、情報の精度を高められそうですよね?
転職先となる病院にとっても、あなたにとってもお互いのミスマッチを減らせば、無為な転職を避けられます。
(コンサルタントさんにとってもあなたと病院側双方が納得されることが嬉しいこと。)
複数の人材紹介会社登録の注意点=転職意欲を喪失しないために
1つだけでなく、各病院の悪いうわさをたくさん聞いていると、転職する意欲を失うかもしれません。これが一番問題だと思います。
病院の紹介は誰かに頼めますが、“転職する意欲”だけは“自分で”生み出さなければいけません。
看護師としての働く意欲は外注できないのです。
以上のことから、情報収集する上ではコンサルタントさんには他社での活動状況は
あまり詳しくは伝えないほうが良いと思います。