初めまして、モンスターハンターの、ゴホン!…いえ、メンタルコーチのイタルです。今回はモンスターペイシェント対策で悩まれている看護師さんたちのために、“気”に着目した心理戦術をご紹介します。
病院で医師や看護師に、暴言を吐く、訴えると脅す、暴力をふるう…
まるでモンスターのような患者(と家族)“モンスターペイシェント”が増えています。
モンスターペイシェントに苦慮している病院は半数以上といわれています。
看護師として働く以上、モンスターペイシェントとの遭遇は、ほぼ避けられない問題といっても過言ではないでしょう。
そこで、今回は、
- 本当にあったモンスターペイシェント事例
- まず取りたいスタンダードな対応方法~個人ではなく組織で対応~
- 中にも何も対応していない病院も
- その患者さんはモンスターペイシェントかどうか、判断するには?
- 病院にモンスターペイシェント対応マニュアルがないか、対応担当者がいないか確認を
- モンスターペイシェントに負けない!看護師のための対応心理テクニック
- モンスターペイシェントの悪影響をカットする6つのステップ
といったことご紹介したいと思います。
本当にあったモンスターペイシェント事例
実際にいるモンスターペイシェントについて事例を紹介します。
- モンスターペイシェントから毎日のように医師や看護師の対応が悪いと悪態をつく
- 特に若い看護師には1時間以上不満を訴る
- 病気の治療は終わっているのに退院しない
- 入院費や外来費すら払おうとしない
場合によっては統合失調症など精神疾患を持っているのに、勝手に治療をやめ薬を飲まず、そのこと自体病院に隠している事例もあります。
こういった場合は統合失調症というれっきとした病気ですから、通常のコミュニケーション自体が困難になります。
まず取りたいスタンダードな対応方法
個人ではなく組織で対応する
- まずは、看護師長など上司に相談する
- 看護師長から直接または、場合によっては院長から患者さん、ご家族に話をしてもらう。
- 看護師のあなた“個人”ではなく、病院という“組織”で対応
することなどを考えたいですね。
看護師が若いからor女性だからといって、文句を言いやすく召使のように使うタイプの患者さんは、病院の上の人から言ってもらうと大人しくなる場合があります。
病院にモンスターペイシェント対応マニュアルがないか、対応担当者がいないか確認を
総合病院だとモンスターペイシェント対応マニュアルが制定されていることがよくあります。
「え、うちみたいな小さな病院には対応マニュアルなんてないですよ」
と思われるかもしれませんが、中小の病院でも取り決めはあるかもしれません。
(けっこう以前に備えたものの、あまり運用されず忘れ去られているのかも…)
大きな病院だと“安全委員”などの中にモンスターペイシェント担当者を決めている場合もあります(そんな担当にはできればなりたくありませんね…)。
病院には顧問弁護士もいるでしょうから、当然弁護士対応、連絡体制がちゃんとあるということもありえます。
中にも何も対応していない病院も
残念ながら、中には、モンスターペイシェントに対してなにも対応策を用意していない病院もあります。
でも、こういった病院でも、「モンスターペイシェントお断り」「警察に通報します」といったチラシを貼るなど、対応していくこともあるでしょう。
小さな対応をはじめるだけでも看護師個人だけでは難しいですよね。
まずは、病院内でモンスターペイシェントの脅威があることを組織として認識することがスタートだと思います。
モンスターペイシェントにも程度の大小はあると思いますが、決して、いち看護師であるあなただけで悩む問題ではないと思います。
その患者さんはモンスターペイシェント?判断するには?
では、判断基準について考えてみましょう。
典型的なモンスターペイシェントの事例としては、
- 訴えてやる、といった脅し文句が繰り返し言う
- 看護師個人の尊厳を否定するような言葉を言う
- 殴る、蹴るなど暴力をふるう
- 明らかなセクシャルハラスメントを複数回される
- 理由もないのに治療や診療を拒否される
といったことが挙げられます。
ただ、こういった言動があっても、「患者さんが感情的になったとき一度きりで、後で謝ってくれた。」
という場合は、モンスターペイシェントからは外れる可能性が高いでしょう。
とくに暴言になるのか、セクハラかどうかは、個人の判断基準によるところもあります。
判断に迷う場合は、ほかの看護師にも立ち会ってもらって客観的に判断してもらうのも一つの方法です。
ただ、一人の看護師だけを個人攻撃する場合も考えられます。
そんな場合は、「おっしゃりたいことはこの紙にかいてください。後で読ませていただきますから」とメモを渡すのもよいかもしれません。
モンスターペイシェントに負けない、看護師のための対応心理テクニック
今回は、“気”の観点から、モンスターペイシェントに対応する心理テクニックをご紹介します。
“気”といってもごくごく簡単な手法です。
気とは
“気”とは、気功の気といってもいいですし、もっと簡単に気持ちエネルギー、心のエネルギーという風にとらえてみてください。
エネルギーである気は、高いところから低いところへ流れる性質があると考えてください。
流れる水、みたいですよね。
モンスターペイシェントは“気”が極端に不足している
モンスターペイシェントのような患者さんは、極端に気が低い状態にあります。
モンスターペイシェントは、気が足りませんから、他人から気を奪おうとします。
気を奪う行為が、
- 看護に難癖をつけたり
- 訴えてやる!と脅したり
- 場合によっては暴力をふるう
といった行為で看護師から気を奪おうとします。
モンスターペイシェントから、こういった行為をされた看護師は実際、元気を無くします。
気が減ってしまうわけですね。
それを見たモンスターペイシェントは、満足する。
つまり、目の前の看護師から“気を奪う”ことに成功するわけです。
恐ろしいですね(ToT)
これにモンスターペイシェントさんは悦にはまり、気を奪うことを“学習”します。
すると、繰り返し、繰り返し、暴言を吐いたりします。
モンスターペイシェントから“気”を奪われないイメージ法
「モンスターペイシェントに奪われてしまった気は、無くしてしまう、場合によってはゼロになるのでは?」
「気は、相手からとるか、とられるかって…鬱になりそう。」
そう思わるかもしれません。
でも、心理学の世界では、そうではありません。
むしろ、真逆。
じつは、気は、取られれば取られるほど、増える(!)のです。
だから、モンスターペイシェントに罵声を浴びせられても、あなたは元気を失う必要性は、“まったくありません”。
モンスターペイシェントの悪影響をカットする6つのステップ
- まず、リラックスすることを意図しながら、体の力を適度に抜き呼吸を深くします。
- 真っ直ぐ立ち(胸を張りすぎず)、体の中心軸を意識します。
- 下丹田(おへその下、骨盤の中心)に意識を向けます。
- モンスターペイシェントから嫌な影響を受けそうになったら(罵声を浴びせあれるなどにより)、彼らからマイナスのエネルギーが飛んでくるところを想像します。
- そのマイナスエネルギーがあなたの体に一瞬浸透しますが、何の影響も受けずにモンスターペイシェント本人に逆流して戻ってしまう様子をイメージします(この時心の中でシューン!といった感じで音も出します)。
- さらに、体の外部から大気のエネルギーがあなたの体に流れ込む様子を想像します。
つまり、モンスターペイシェントに罵声を浴びせられることで、逆にあなたはエネルギーに満たされた、という想像をするわけです。
モンスターペイシェントのマイナスエネルギーは、水車を回す水の流れのようなもので、あなたにエネルギーを与えてくれるわけです。
落ち着いた場所で予行演習
現場でリアルタイムでいきなりやるのは、ちょっと難しいので(たぶん、初めはそんな余裕はないと思います…)、
自宅など安全な場所で、予行演習(メンタルリハーサル)を何度かしておきましょう。
簡単なイメージ方ですが、なかなか効果はあります。
繰り返し練習して、上手になってくださいね。
こういったことことを考え始めると、モンスターペイシェントの見方が変わりませんか?
彼らはあなたにとって、どんな存在と言えるでしょう?
…
…
ちょっと思いつかないでしょうか?
モンスターペイシェントは…
あなたが看護師として、人として成長するための、
「練習相手」です!(笑)
そんな風に彼らをとらえなおすと、ちょっと楽になりませんか?
これからは、彼らのことをモンスターペイシェントさんなんて呼ぶのは失礼です。
練習相手。
もうちょっと進めて、
「お師匠様!」
と呼ばせていただいてもいいかもしれません^^
(↑お師匠様なので謙譲語^^)
今回の記事はいかがでしたでしょうか?少しでもあなたの助けになれば幸いです。