こんにちは、メンタルトレーナーの山田です。
ここでは、そんな看護師さんのために身だしなみ・マナーについて、心理学的解説を加えながら、ご紹介します。
人は初対面の5秒で、あなたがどんな人か判断する
人は初対面の5秒で、あなたがどんな人か判断します(決めつける)。これが、いわゆる「第一印象」。
- そして、あなたがそのような人間だという前提で接する
- もし、あなたに好印象をもったら長所ばかりに目が行き、悪い印象を持ったら“あら探し”ばかりされる
- しかも、その判断はほぼ覆らない
こう考えると、第一印象って怖いですね。
あなたが入職したり転職するとき、上司や同僚看護師たちとの初対面の瞬間ほど大事な時はないかもしれません。
看護師は、患者さんはもちろん、そのご家族、医師や理学療法士など他職種のスタッフたちなど多くの方々と関わります。
当然、身だしなみやマナーは基本中の基本。看護師も第一印象が大事
同じように上司や同僚にも気を使いたいところです。
患者さんと接しているときも先輩看護師や同僚に見られていることを意識しよう
患者さんが同僚に伝えることだってあります。
ただし、身だしなみは上司や先輩から信頼されなければと義務感ではなく、“自分自身のために”気持ちよくやると良いと思います。
看護師の身だしなみで考えるべき事
患者さん、上司や同僚看護師たちがどう感じるか
患者さんは病気と戦っている、同僚たちもそんな患者さんたちと向き合う。
そんな中で心の余裕がどちらかというとない状況では、看護師は他職種以上に相手に不快感を与えない身だしなみをしたいですよね。
“清潔さ”と“清潔感”の違いがポイント
清潔さと清潔感?同じでは?
制服を奇麗に洗濯した直後は確かに“清潔”ですが、シワシワだったり生地にシミが残ったりしていると、見た目として“清潔な感じ”はしないですよね。
つまり、“清潔感”は、患者さんや上司たちが、あなたの身だしなみを見て、“どう感じるか”です。
看護師の身だしなみは“清潔さ”も“清潔感”も大事。
看護師としての美しさ・機能美
“清潔感”が感じられるかどうかでも、見た目の美しさは看護師にとって大切な要素です。
ただし、派手なメイクやヘアスタイルは考えもの。
(子供には男性看護師の茶髪がウケたりもしますが)
看護師とて医療の現場でふさわしい、動きやすさ、美しさが求められます。
制服のサイズ、着こなし、胸のポケットにやたらとペンがささっていないか。
上司や先輩看護師たちに一度悪い印象を与えてしまうと、それを挽回するのは至難の業。
人間は“思い込みの動物”です。
一度、あなたという看護師を、“こうだ”と決めつけると、そのレッテルがはがれる事はなかなかありません。
入職してずっと人間関係で苦労するか、それともスムーズに行くか、最初の5秒できまりかねません。
人間関係が原因で転職する人は特に注意しておきたいですね。
今度転職してきた人は良い感じがする。
テキパキ仕事してくれそう。
信頼できそうな人だな。
そんな風に思われるように身だしなみにはきをつけたいですね。
看護師として愛されるメイク
看護師は特に患者さんから健康的な印象をもたれるようにメイクも気をつけたいもの。
もちろん、このことは上司や先輩看護師があなたを見た時に同じように評価されます。
患者さんにとって良い事は上司たちへの信頼につながります。
看護師のメイクの基本は自然に
看護師のメイクは自然に、控えめが基本。
厚化粧はNGですし、肌にあっていなファンデーションもふさわしくありません。
かといって、ノーメイクで子供っぽい、疲れも重なって不健康に見えては、患者さんから「看護師さん、大丈夫?」と心配されてもいけません。
出勤前に時間がなくても適度なファンデーション、唇、眉を引くくらいはしておきたいもの。
肌自体も整えて
自然なメイクができるように、素肌の調子も整えておきたいところです。
不規則な生活になる看護師ですが、そこは医療従事者ですから工夫して。
疲れても帰宅したらメイクは必ず落とし、肌荒れには気をつけます。
保湿などのスキンケアやフェイスマッサージも良いですね。
眉
全く整えていない眉毛は男性でもエチケットとしてふわしくありません。
適度に整えて女性は自然に描きましょう。整えすぎて細すぎる眉毛はNG。
肌・ファンデーション
自然に見える肌にあったファンデーションを選ぶ。
チークは顔色を明るくするために適度に。
寝不足など目にクマがある時はコンシーラーで目立たないように。
目元
つけまつ毛やアイライナーは控える
アイシャドウはベージュ系等目立たないものを。
唇
肌に合う自然な色を選ぶ。健康的に見える事。
色が濃い、ラメ入り、グロスはNG
患者さんは、病気によっては髪の毛やまつ毛が抜けたり、アトピーなどでメイクができな事もあります。そんなとき看護師がつけまつ毛やしっかりメイクをしていたら…。患者さんの気持ちを考えると、どうすべきがわかってきますね。
体の中から奇麗に
忙しいと自炊が出来ずにコンビニのお弁当が続く…。
特に仕事に慣れない新人看護師にありがちな話ですが、美しい肌の基本は体の内側からキレイになる事。
野菜を中心とした肌によい食生活をとるように、体の中も外も健康的な看護師でいられるように意識しましょう。
ヘアスタイルと髪の清潔感
看護師は看護の場面では患者さんに顔を近づけることが多いもの。
ヘアスタイルと髪の清潔感、また、長い髪はまとめて患者さんに触れないように気を配りたいですね
似合うヘアスタイルも大事
どんな髪型が似合うかは看護師それぞれ。マナーを守って楽しみたいですね。
- 伸ばしたままの長い髪
- 明るすぎるカラーリング
- おしゃれすぎるパーマ
担当看護師がそんな状態だと…「この看護師さん、大丈夫!?」
と、患者さんを不安にさせては献身の看護も台無し。
長さの目安は病院の雰囲気にもよりますが、少なくとも肩にかからない事。
落ち着いたヘアスタイルで。
看護師にふさわしいヘアスタイルは?
ショートヘア
髪を束ねたりまとめたりする必要がない分ラクですが、寝クセがないか気をつけます。
髪が落ち着きやすいように普段からヘアケアをしておくと◎。
ボブ
肩にかからない長さなら髪をまとめなくても大丈夫ですが、前髪が目や顔にかからないようピンなどでとめておきます。
ロング
後ろ髪は必ずまとめて前髪やサイドもピンでとめるなどします。おしゃれになりすぎない程度に巻き上げてアレンジすることも可能。
ヘアアクセサリー
髪をとめるヘアアクセサリーを使うこと自体はOKですが、キラキラしたもの、尖ったものなど色や形が派手なものは避けます。
色は黒・ブラウン、紺色など、できるだけ目立たないシンプルなもの方が、上司や先輩看護師からの印象も考えると無難でしょう。
人間関係は特に初めが肝心です。
香り・におい
看護師は患者さん、入所者さんに近い距離で接しますし、日本人は香りに敏感な国民と言われています。
勤務前に歯磨き・口臭ケアをし、体臭・タバコの匂いには注意します。
“自分の匂い”は、意外と気付かないものです。
病院・医療機関では基本的には香水やコロンは基本的には使わないほうが良いでしょう。
患者さんの状態を把握するうえで匂いも一つの要素。健康状態にない患者さんは普段より匂いに敏感になっている場合もあります。
医療従事者にキツい香りがあってはいけませんね。
どうしてもつけたい人は休日か、通勤時間中だけ香り楽しむために通勤服に香水をつけると良いでしょう。
また、香水よりはオードトワレがより良いでしょう。香水の香りの持続時間が5時間以上と長いのに対し、オードトワレは数時間と短く香り自体も柔らかだからです。休日とはいえ、嗅覚が鈍くなってしまうようなキツい香水をつけるのは医療従事者として考えものですしね。
手元・足元にも気をつかって
看護師は、患者さんの体を拭いたり、脈を測ったりと直接触れることが多いもの。
爪など手元の清潔感に気を使い必要があります。
指輪、ブレスレットなどアクセサリーは控え、マニュキュアもしません。
病気やケガを“手当て”するといいますが、昔は手を当てることで病気が良くなるとされていました。
特に看護師は手を通して良い印象が伝わるようにしたいですね。
そして、意外に見られるのが足元です。
テキパキ仕事をしてくれる看護師さんだけど、足元がNGだと上司や先輩看護師への印象が悪くなります。
看護服・制服の着こなし
白衣の天使と言われるくらいですから、看護師と言えば当たり前すぎる制服。
院内で同じ制服だからと油断せず、機能的で清潔感のある着こなしを。
良く言われる“メラビアンの法則”からすると看護師の印象は“見た目等”で決まってしまいます。
患者さんはもちろん、上司・同僚看護師からも認められるようにしたいですね。
サイズ
看護の現場で動きやすい余裕を持ちつつ、体にあったちょうどフィットしたサイズですっきりと。
最近はパンツスタイルが多くなっていますが、膝の曲げ伸ばしがしやすいサイズを。
汚れ・しわ・におい
- スカート・ズボンはしわになりやすいので注意
- 血液などシミは早めにつまみ洗いで落とす
- 襟元・脇に汗しじみはないか、匂いはないか
ポケット・ボタン・名札
- ポケットにボールペン、蛍光マーカーなど物を入れすぎないか
- ボールペンにジャラジャラとアクセサリーがついていなか
- ボタンは取れていないか、ほつれはないか
- 名札は名前がちゃんと見える位置にあるか
足元・小物・アクセサリー
- スカートやスボンはちょうど良い長さか
- 下着の色や線が写っていないか
- シューズは汚れていないか
- ストッキングはたるんでいないか、伝線していないか
- 小さくてもピアス、ネックレスはつけないのが基本
通勤時の服装にも注意
「病院内は制服だから通勤時はどんな服装でも大丈夫」と思っていたら大間違いです。
上司や同僚看護師たちはもちろん、患者さんやそのご家族にも通勤着は見られているもの。
「仕事はきっちりなのに、あんな私服なの?」
と思われては印象がダウン。
患者さん・ご家族から通勤着から看護師の質、ひいては病院の質を判断される可能性があります。
ということは、上司も気にしますから通勤服とはいえ油断は禁物ですよね?
「通勤服くらいは好きにしたい!」
という気持ちも分かりますが、特に入職・転職したばかりの“新参者”の間は注意が必要だと思いませんか?
通勤時も医療機関従事者としての自覚を
もし、あなたが患者さんの立場で派手すぎる私服で出入りする看護師を見かけたら、どう思うでしょう?
普段、院内では白衣の看護師さんしか見ていなかったのに…印象が悪くなりそうですよね?
「この病院、大丈夫?」
他の医療機関へ患者さんが移ってしまうかもしれません。
それに、通勤時間帯、帰りのスーパーやコンビニで上司や先輩看護師、患者さんにばったり会うことだってありえます。
特に入職・転職直後に気をつけたい通勤服
- ノースリーブだけはNG。カーディガンなどをはおって肩が露出しないように。
- ブランド小物・バックは年齢相応物を。若いうちは控える方が無難。
- サンダルやミュール、派手なハイヒール、素足は避ける
普段から、「私は○○病院の看護師なんだ」という自覚とともに生活できれば、その思いは勤務中の態度にも表れ、上司や患者さんへの印象も良くなるはず。
私たち人間の脳は、“一貫性”を保性質があります。
脳や心理の深い部分では、勤務中、通勤時、休日の区別が“ありません”。
つまり、勤務中は看護師として襟を正すけれど、プライベートで全くだらしなく生きる、ということが出来ない仕組みになっています。
もちろん、プライベートではホッと一息つくことは欠かせません。
ただ、度を超えて羽目をはずすのは、看護師としての自覚を欠くことにつながりかねないのです。
勤務時間外はリラックスしても、心の片隅には“看護師としての自覚”を残しておくことが、勤務中の態度にも影響し、上司や患者さんへの印象アップにつながるはずですよ。
人は、“非言語”の部分から強く印象を受けます。つまり、気持ち・態度・熱意・誠実さといったものです。
夜勤のマナーと身だしなみ
夜勤は上司や同僚看護師も、お見舞いの方々もいらっしゃらないため人目が少なくなります。
ですが、夜は患者にとっては不安になりやすい時間帯。一緒に夜勤をするスタッフも、その分、気を引き締めているかもしれませんから、油断は禁物。
- 夜勤とはいえ最低限の健康的なメイク(寝不足等がわからないように)
- 長い髪は日勤同様にまとめたり、ピン留めを
- 夜勤とはいえナースステーションで談笑したり休憩したりしない(ちゃんと休憩室で。夜は病院内に声が響きます。)
あなたの評価が下がらないよう夜勤こそ、マナーや身だしなみに注意したいところです。
看護師としての立ち振る舞いを美しく
看護師の印象を大きく決定づけるのが、普段の立ち振る舞いです。
例えば、院内はトボトボあるいたり、ドタバタ走ったりせずに颯爽と歩くなど好感度アップを目指しましょう。
美しい立ち振る舞いで好感度アップ
- ポケットに片手を突っ込んだりしない
- 腕を組んで人の話を聞かない
- ナースステーションでも患者さんに見られている
- 椅子の背もたれは使わずに姿勢を正す
- 椅子からの立ち上がりも美しく、素早くなり仕事効率化にも
上司たちに協力してもらう
上司や先輩看護師に注意してもらうように頼むのも手。うまく頼めば嫌な感じはしないでしょうし、むしろ好感をもたれ、認めてももらえるはず。自分では気付けていないクセや振る舞いを教えてもらえます。
姿勢を正すメリット
姿勢を良くするとインナーマッスルが鍛えられ基礎代謝がアップ。ウエスト周りの引き締め効果、太りにくく、疲れにくくもなります。背中の筋肉が鍛えられると、顔のたるみ防止にもつながります(背中の僧帽筋は、首、頭の筋肉とつながっています)。
姿勢がよいと若々しく見えます。
以上のように、立ち振る舞いを良くすれば、上司や同僚看護師たちへの印象が良くなりますし、ダイエット効果、疲労軽減効果、仕事の効率化などメリットは意外に多い物ですね。