アパレル

アパレル業界の華やかなイメージに惑わされないで。実は苦労が多い大変な職場

アパレル業界に転職した方々の業界ならでは苦労話

ここでは、アパレル業界に転職した方々の業界ならでは苦労話を語っていただいています。
アパレル業界の華やかなイメージ、「服が大好きだから」といった志望動機だけでは転職しないほうがいいかもしれません。
業界の方々だからお聴きできる、大変なこと、苦労話…お役に立てれば幸いです。

アパレルに転職するなら、必要なのは洋服が好きなことじゃない。身心が強く、人と上手くやっていく性格だ。

うた(20代後半・女性)
アパレル販売員の社員として転職し、働き始めてすぐの話。
とんでもなく苦労したことが2つある。

私が配属された店舗は、静かな百貨店の中のテナント店舗で、4名のスタッフでシフトを回している小規模な店舗だった。

1日に10客売れればまあまあというようなお店だったので、暇な時間もとても多くあった。

女性4名で毎日顔を合わせ、暇な時間も多いとなると、やはり苦労したのは女性特有の人間関係だ。

特に大変だったのは、店長と副店長が不仲で、毎日のようにぶつかり合い、険悪なムードになっていたこと。

そして新人の私にそれぞれの悪口ばかりを話してくる、どちらの味方につくのかといったようなことを求めてくる毎日だった。

お客様の前では笑顔で丁寧な対応をしているのに、スタッフだけになった途端、とても嫌な雰囲気になった。

仕事内容の大変さというより、人間関係の大変さで、入社して数ヶ月は毎日気疲れしていた。

しばらくするとその店長が退職し平和な日々がやってきたが、それまで毎日胃が痛くなりそうだった。

もう1つ、とても苦労したことがある。

厄介なクレーマーにつかまってしまったことだ。

当時副店長をしていたスタッフはとても気が強く、お客様にもハッキリと物事を伝える性格だった。

その態度がお客様の気に障り、本社へクレームが入ったのだ。

内容は、随分と話を大きくされていて、実際そこまでひどい対応をしていた訳ではないのに、すごくひどく言われてしまっていた。

クチコミが重要な時代なので、本社からすぐに人が来てスタッフ全員ものすごく怒られた。

そのクレーマーは少し精神的におかしく、1日に何度も電話をしてきたり、話をする度言っていることが変わったり、他のお店でも何度もクレームを入れているようだった。

それを伝えても、本社の上司からは厳しい言葉ばかりだったので、店舗のスタッフは全員、とても落ち込んでいた。

電話が鳴るたびに『またクレーマーからか』とドキッとしたり、他のお客様を接客していても『また何か言われるのではないか』と怖くなってしまうほどだった。

日本のサービスは素晴らしく、お客様は神様といったような対応がいいとされているが、販売員側としてはその考えがとても辛く、苦労することがある。

本社の上司とのコミュニケーションがあまり取れていなかったのも悪く、上司にもっと信頼してもらえている店舗であれば、きっと全然違うものになったのだと思う。

アパレル販売員は、洋服が好きなだけでは務まらない。

身体と心が強く、人と上手くやっていける性格でないと、転職はおすすめできない。

 

アパレルに転職する前に知っておいてほしい!販売員の苦悩

とも(20代・女性)
私が当時働いていたのは、東京都大手アパレル企業で完全接客方の販売方法をとる職場でした。常に1対1でお客様に寄り添い、商品の知識やコーディネート提案をしていくのが主な役割でした。

しかしそれには「不要な商品でもいかにして買っていただくか」という裏が隠されており押し売り接客ともいえる手法をとっていました。この販売方法がどうしても肌に合わず入社して半年以内に退社する社員、パートの方が後を絶たず入れ替わりの早い会社でした。

断りが苦手なお客様は、販売員の成すがままの状態で、同じような商品をいくつも購入していました。私も、商品の押し売りには非常に抵抗がありましたが、毎日毎日迫られるノルマを達成するが為に仕方なく行っていました。

この手法を身に付けるために、何度もロールプレイングをしたり、先輩のきつい指導をうけなくてはならず非常に辛かった思い出があります。決まり文句は、こちらの色をお持ちでしたらコーディネートの幅も広がりますし、長くお召しいただけます。今なら2点で○%のお値引きを致します!といった、オススメフレーズ+値引き手法です。

また1日の店の販売実績が達成していないと、社員の誰かが買って達成まで持ち込むというやり方をしている店舗までありました。例えば店の売り上げ20万が目標でその日の売り上げが19万で終了したとします。

そうすると、ラスト1万円を誰かが買って達成させなければならなかったのです。もちろん強制をいうわけではありませんでしたが、空気が「次は誰が買う…?」というものになるのです。ただでさえ、安月給な上、目標達成のために欲しくも無い商品を買わなくてはならないのは苦痛で仕方ありませんでした。

そして土日は休憩時間もろくに取ることができず、朝から晩まで立ち仕事の現場です。体力がないとやっていけないのはもちろん、空腹に耐えなければなりません。

このような現場では一生、いや長くても3年以上働く事はできないと決心し、3年目で退社を決意しました。アパレル業界といっても、接客をあまりしないレジ業務メインの職場や、完全接客で提案販売をしていく職場など様々あるとは思います。

しかし提案接客=お客様により良いサービスを提供するに隠された闇とは、「いかに多くのものを購入していただくか。そして会社の収益を上げるか」ということにつながっています。買い物に行って、ずっと傍に寄り添ってくる販売員がいた場合は注意して買い物することを強くオススメいたします。

アパレル業界…華やかでやりがいはあります。おしゃれも磨けます。
でも、苦労も多いです。転職するなら覚悟しておくべしです。