スキルアップ

看護師に必要な“相反する人間性”をバランスよく高める方法とは

看護師に必要な“相反する人間性”
  • 主体性と協調性
  • 芯の強さと繊細さ
  • 実行力と柔軟性

現役看護師の皆さんが列挙した“看護師に必要な人間性”です。
相反する性質が並びます。

実は、看護師に必要な人間性は、相反するものばかりなんですね。

「右に行け」といいつつ「左にも行け」といわれているようなもので、どうすればいいのでしょう?
そういう意味では看護師は女性向きの職なのもしれません。

では、男性看護師はどうすればよいのでしょう^^;

女性看護師でもどうすればいいの?と思う方もいらっしゃいますよね。

そこで、今回はこのような相反する人間性をバランスよく引き出すために役立つ心理学をご紹介します。

 

看護師に求められる相反する人間性

主体性と協調性

周りに流されない自立性を持ちつつも、先輩看護師や同僚と協調できること。
簡単に先輩たちに頼らず、自分で答えを見つける力も必要ですし、他の看護師にちゃんと聞けることも大事。

 

芯の強さと繊細さ

看護師は決して楽ではない仕事。命に関わるプレッシャーもあります。
人として芯の強さが必要です。
言い換えると“精神的な図太さ”。

でも、同時に繊細さも必要。
繊細な心は、人を思いやること、共感することにもつながります。

患者さんやご家族への共感力、寄り添えることも必要です。

でも、時には毅然とした態度をとる必要性も。

 

実行力と柔軟性

看護師の仕事は手術、点滴など各種の処置などスケジュール通りに物事を行う必要があります。
看護師には実行力が必要。

でも、予定通りいかないことも多々あるもの。
臨機応援に対応できる柔軟さも併せて必要です。

「時間内にやらなきゃ!」という思いが強すぎると、作業スピードが遅い自分イライラしたり、処置予定を柔軟に調整できなかったりと支障がでてきます。
思うように行動してくれない周りの看護師に感情的になりすぎてしまって、後で後悔することもあるかもしれませんね。

 

看護師に求められる、相反する性質…どうバランスをとる?

看護師には相反する人間性・要素を合わせもつことが求められます。

左に行くことと、右に行くことを同時に求められるようなもの。
こう考えると看護師って大変ですよね。

でも、人間の性質としてはこれは可能なんです。
看護師として知っておきたい心理テクニックをご紹介します。

 

看護師のための「相反する人間性・性質を統合する心理テクニック」

今回は、先輩看護師や同僚との協調性を重視しぎるあまり、自分の意見を言えない、主体性を発揮できない看護師さんを例にしてみましょう。
(人がいい看護師にありがちですね)

協調性は確かに大事ですが、「自分」がそこに不在だとチーム看護は完了しません。
主体性なき協調性は、チームとしてはときに迷惑だったりします。

 

心理テクニックの仕組み

協調性が強く出すぎる看護師さんは、心のシステムとして、協調性の調整つまみが大きくなっていて、その分、主体性の調整つまみが極端に下がっている場合が考えられます。

これは、その看護師さんの生い立ち、幼少期の記憶、経験が大きく影響しています。

この調整つまみがどう設定されるかは、実は意識的にはよくわからないと思います。
つまり、“無意識的に”調整されています。

そこで、このテクニックでは「その無意識の調整を、意識的に扱っていきましょう」ということになります。

心の中にいる協調性を重視する“もう一人の自分”

今回の例の看護師さんの場合、心の中に協調性を重視する“もう一人の自分”がいるという風に考えます。

そのもう一人の自分が、勝手に協調性のつまみを大きくしていると考えます。
普段は、その自分が勝手にやってくれていることなので、意識では「もっと、自分を出さなきゃ」と思っていても、自分の意見が言いにくかったりします。

そこで、無意識の中にいる“もう一人の自分”に協調性つまみの調整をお願いするのが、今回のテクニックになります。

心理テクニックの手順

  • 一人で静かに落ち着ける部屋で椅子に楽に座ります
  • 深呼吸をしてリラックスします
  • 心の中(無意識の中)のもう一人の自分とコミュニケーションをしようと意図します(そう思うだけでOK)
  • 自分の意見を言うべきなのに言えなかった時など(主体性を発揮できなかったエピソード)を思い出します
  • 今、その出来事が起こっているようにリアリティをもって想像し、どんな気持ちになるか感じます
  • その気持ちを感じているとき、胸がもやもやするとか、お腹に違和感があるとか、体に何か感じる部分に意識を向ていきます(その部分に、“もう一人の自分”がいると考えます)
  • そこにいる“もう一人の自分”に意識を向けながら、「今まで気付かなかったけど、ずっと私を守ってくれてありがとう」と伝えます
  • 「私はもう大人になったから、もう少し意見を言えるようになりたい。だからあなたも協力してくれますか?どのくらいかはまずはあなたに任せますので、今までは私が自分の意見を言えるように協力してください。」と伝えます
  • しばらく、体の感覚や、感情の動きを感じます

以上、ごくごく簡易な方法ですが、なんとなく「良い感じがする」「大丈夫そう」と思えればOKです。
全く実感がなければ、一度だけではなく、何度かやってみてもよいでしょう。
“なんとなく”があればいい感じです。

心(無意識)は私たちを一生懸命守ってくれています。
そんな心と“共にいる時間”は、あなたの癒しになります。
でも、忙しい看護師として働いていると、なかなか心と向き合う時間はとれないですよね。
忙しい看護師ほど、そんな静かな時間を取りたいものです。

テクニックのポイント

ごくごく簡易に紹介しましたが、ポイントは
心の中でもう一人の自分がいて守ってくれていると気づくこと
その自分に感謝を伝えること
です。

それだけで心の中の自分は喜びます。ずっとけなげに頑張ってきてれていますからね…
もう一人の自分に向かって「ありがとうと何度も伝えていくと、それだけ涙があふれ癒されたりもします。