- どうしてもやりたくない処置がある。また失敗しそうで逃げたくなる
- 人前での発表はただでさえ苦手なのに、日常業務のほかに院内発表をやらなければならない
- 苦手な患者さんがいる。その人とかかわると思うだけでストレスになる
一度、嫌だ、苦手だ、と思った処置や患者さんって、それをやると思うだけ嫌になるのに、実際に実行する、処置をするとなるとかなりのストレスになってしまいます。
この記事では、そんな苦手意識にさいなまれる看護師のために、
- 失敗を“冷静に”想定しておく大切さ
- 人はそもそも苦手意識を感じるようにできていること
- 苦手意識を感じる根源は“死への恐怖”にある?
- 失敗=苦手なものではない
- 苦手意識を持ちやすい看護師の傾向
- 看護師のための苦手意識を克服する2つのパターン(セルフコーチング)
といったことをお伝えします。
失敗を“冷静に”想定しておく大切さ
人間は不完全な生き物ですから、誰しも失敗をします。
今はてきぱきと働く先輩看護師たちも、新人ナースの頃は失敗を沢山↓という人が多いと思います。
確かに、患者さんに直接関わる看護では大きな失敗は許されません。
先輩看護師との関係も一度崩れると取り返しがつかないこともあるかもしれません。
だからといってどんな小さな失敗でもインシデントにつながるわけではないのではないでしょうか。
患者さんに少し不快な思いをさせてしまったとか、患者さんに疎まれたかなとか、自分の印象が悪くなるとか、そのようなことを過剰に恐れていては患者さんとの関わりに悩みすぎてしまうと思います。
恐れている失敗して、本当にそこまで大きなことになるのか冷静にと考えてみてもよいのではと思います。
人はそもそも苦手意識を感じるようにできている
人は、失敗する事を過剰に心配する動物
人も、大昔は、マンモスを倒したり、ライオンと戦ったり、死と隣り合わせでした。
その恐怖に対する遺伝子が今でもちゃんと残っています。
ポジティブな人になりたいと望みながらもネガティブになりがちなのはそのため。
だから、人間は死を回避したいがために、あらゆる失敗をおそれてしまったりもします。
お金を過剰に溜め込む人やすごくケチな方がいらっしゃいますが、同じ心理なのだろうと予測されます。本能的なものですね。
苦手意識を感じる根源は“死への恐怖”にある?
特に看護師は命を預かる職です。
患者さんの死という現実が間近にあるので、他のオフィスワークや製造業に比べて失敗を過剰に恐れるのは当然だと思います。
看護職は、“本能が作動しやすい職”と言えます。
その“死への恐怖”があるから「医療ミスを起こさないようにしよう」と看護に集中できます。
看護師はそれだけ精神力を日々費やしている事になりますね。
ですから、ご自身が失敗を恐れて、特定の処置や患者さんとの関わりに苦手意識を感じるとしたら、
「私、単に心配しすぎて苦手意識を感じるのかな?」
とご自身に問いかけてみても良いかもしれません^^
失敗=苦手なものではない
「人生に失敗はない、フィードバックがあるだけだ」
「成功したければ、2倍のスピードで失敗しなさい」
「正しい判断は多くの経験による。多くの経験は多くの“失敗”による」
筆者が尊敬する偉人たちの言葉です。
もちろん、大きな取り返しのつかない失敗は除いてですが、看護技術、処置、患者さんとの関わりだって、うまくできるようになるまでつづければ、途中の失敗は失敗ではないと思います。
身につくまで続けるなら、失敗は、練習のために機会でしかないと思います。
この世は皆、“お互いさま”だと思うのです。
苦手意識を持ちやすい看護師の傾向
- 子供時代にうまくいかず嫌な思いをした
- 恥ずかしい思いをしたことが多かった
そんな看護師の方は、苦手意識を持ちやすいもの。
よく“三つ子の魂百まで”といいますよね?
人は、子供のころの認知パターン、思考パターンを引きずってしまいます。
でも、大丈夫だと思います。そして、おめでとうございます。
今、そのことに気付けたとしたら、過剰な苦手意識や失敗を恐れる心理から脱出するチャンスです。
そして、それは、あなたが望む素敵な看護師へ突き進むチャンスでもあるはず。
看護師のための苦手意識を克服する2つのパターン
苦手意識を克服するパターンとして2つご紹介します。
- ベイビーステップから始めることと、
- 苦手意識を一気に変えうる心理テクニック
です。
ベイビーステップから始める
- 苦手意識をもってしまったものは少しずつやってみる
- 少しずつ量や頻度を増やす
そんな、“ベイビーステップ”から始めましょう。
苦手意識を克服するためのセルフコーチング術
一方、こちらは一度慣れてしまえば、苦手意識を一気に変えうる心理テクニックです。
ストレスの軽減・心の癒しにもつながりますから、少し時間を取って試してもらえればと思います。
- まず、静かに座ってリラックスします。
- 心の内側に意識を向けます。
- あなたが苦手だと思う処置や看護をしている場面を思い出します。
- 今起こっているように想像して、「嫌だな」「苦手だな「失敗したらどうしよう」といった感情を感じるようします
- その感情を強く感じる部分に意識を向けます
- もう一人の自分がいると考えます(幼い頃にできたもう一人のあなたで、あなたを守ってくれています。)
- そのもう一人の自分に「今まで守ってくれてありがとう」と伝えます。(さらに「ありがとう」は心から何度も伝えると体が熱くなったり感動で体が震えたりと良い体験ができるかもしれません)
- さらに、「ただ、○○に苦手意識を感じすぎているようで困っています。私は大人になったから、今はそんなに怖がらなくても大丈夫じゃないかな?もう少し○○に前向きに取り組ませてもらえませんか?」と聞いて、心や体の反応を待ちます。
これで何となく良い感じがすればOKです。
今回は簡易に説明しましたが、こうして、静かに心とコミュニケーションすることはとっても大事な事。
まとめ:苦手意識を持つことは看護師としての成長の機会
どんな看護師にも得意・不得意があります。
それはある処置だったり、あるタイプの患者さんだったり人それぞれ。
失敗したり嫌な思いをした経験から苦手意識を持ってしまうかもしれませんし、科過去の経験が影響しているかもしれません。
でも、「嫌だな」「苦手だな」と感じる出来事=成長の機会です。
そんなネガティブな感情を感じたときに、「あぁ、看護師として成長しているんだな。有難いな」と思えるようになったら“シメたもの”です。
あなたが理想とする素敵な看護師になることをお祈り申し上げます^^
苦手意識を克服して素敵な看護師になるために…
- 人生に失敗はない、フィードバックがあるだけ
- 正しい判断は多くの経験による。多くの経験は多くの失敗による
- 苦手意識を感じるたびに看護師として成長するチャンスにであっている