介護業界の実態
ここでは、介護士に転職した方々の業界ならでは苦労話を語っていただいています。
今最も必要とされている職種の一つ介護士ですが、その実態は、高齢化社会に欠かせない人材ですが想像以上に大変な面も。
これから介護士へ就職・転職をお考えの方に、お役に立てれば幸いです。
看護師との待遇が違いすぎる!毎月誰かが退職する過酷な介護士業務の実態
のん(30代・女性・介護士)
私はかつて三重県桑名市で介護士に転職したことがあったのだが、最も労働量が多い上に待遇がかなり悪かった職場に勤務したことがあった。
介護士の給料は全職種の中では最も安く、もし夜勤をしなければ正規職員でも月10万円も手にできない仕事だ。
アルバイトや派遣で勤務した方がよほど収入を得られる状態だった。
また現在労働基準法により妊娠出産を経ても職場に復帰できるというのは当然のことでありながら、この職場では介護士のみが妊娠すると解雇になっていた。
さらに日中の業務に関しては休憩もない状態で忙しく動き回っている介護士に対し、看護師やリハビリ担当職員、事務方は立ち話が多く、暇なときには週刊誌を見たり関係のない部署に行って世間話をしてくるとこも多々あった。
一方で介護士がちょっとでも無駄な話をしているように見られたら、上司や看護師からすぐに注意されたりもした。
休憩も介護士は食事を摂る10分くらいしか認められていない一方で、他の部署の職員は1時間から2時間余裕をもって取っているのは当たり前の状態だった。
さらに他の部署の休憩所は余裕を持って取られていたのに対し、介護士については休憩場所は4畳半程度のスペースを10人もの人数で利用しないといけない状態だったので、余計に休憩ができなかった。さらに理不尽さを感じたのは夜勤で、各部署で夜勤は基本1人なので利用者の事故防止のために休憩や仮眠を取ることは禁止されていた。
夜勤の勤務時間は午後4時半から翌日9時までで、ほぼ1日寝ないような状態になってしまうので仕事を終えて帰宅する時に睡眠不足と極度の疲労感から交通事故に遭ったという介護士が後を絶たなかったという。
また過酷な勤務状況のためか一定の時期からは毎月誰かが体調不良やけがなどで退職する、もしくは休職するようになってしまった。
もちろん私も勤務して1年半を過ぎた頃から慢性的な疲労を感じるようになり、さらに上司や同僚からのいじめもあって精神的に不安定な状態になってしまい、最終的には転職して2年で退職を決意することになった。
退職を申し出るとこれ以上介護士を減らしたくないという思惑があってか、突然介護士への待遇改善を目指して皆で話し合いをするということが決まり、私も参加してほしいと依頼されたがどれだけ待遇改善されてもこのままでは体調を悪くする一方だったろう。
迷うことなく退職願を提出することにした。